野菜ソムリエの資格を持つ筆者が春が旬の美味しい山菜『たけのこ』が持つ健康効果と栄養成分をご紹介します。
たけのこにはチロシンと呼ばれる記憶力低下予防に役立つ栄養の他、食物繊維や塩分の排出に役立つカリウムなども豊富に含まれています。
チロシンを多く摂取できるおすすめの調理法や食べ方も併せてご紹介しています。
是非チェックしてみてくださいね。
※監修:野菜ソムリエ、食品衛生責任者 山内なみ
たけのこの健康効果
4月5月の春に旬を迎えるたけのこですが、掘りたてのものは生で食べることができます。
ですがご家庭で皮付きのものを調理する場合はあく抜きすることがほとんどですよね。
それほど鮮度が大切な食材でもあります。
※あく抜きの仕方はこちらの記事でもご紹介しています。
では具体的にどのような栄養が健康効果が期待できるのか、詳しくご紹介したいと思います。
チロシンが記憶力低下改善に
たけのこを切ると、切り口に白い粉のようなものが出てくることがあると思います。
あれはアクではなく、『チロシン』と呼ばれる健脳効果が期待できる栄養素です。
チロシンとはたんぱく質を合成するアミノ酸の1つのことで神経伝達物質の原料となるため、うつ症状や記憶力低下の改善に役立ちます。
このチロシンは甲状腺ホルモンや色素のメラニンの材料にもなっています。
またドーパミンやノルアドレナリンやアドレナリンといったホルモンの材料にもなる物質です。
そのため捨ててしまうのはとてもったいないことなんですね。
是非白い部分も捨てずに食べるようにしてください。
おすすめの調理法
より効率よくチロシンを摂取するには『煮物』にするのがおすすめです。
切り口から外に出てしまう性質があるので、大きめに切るほうがいいんですね。
脳にいい効果を期待する場合はかぼちゃ、さつまいもやくるみ、落花生などと組み合わせるのもおすすめですよ。
カリウムで高血圧・むくみを予防
カリウムは塩分の排出を助けてくれる効果がある栄養素です。
そのカリウムも100gあたり520㎎含まれています。
そのため高血圧改善や、むくみが気になるときにもおすすめです。
塩分が高いメニューと一緒に食べるのもいいですね。
食物繊維が豊富で便秘改善にも
また、たけのこには100gあたり2.8gの食物繊維が含まれています。
これは便秘改善効果が高いと人気のキウイフルーツ1個分と同じ程度の量です。
そのため腸の中からキレイにしてくれる効果が期待でき、便秘にもおすすめです。
ちなみに食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と便のかさましに役立つ不溶性食物繊維がありますが、不溶性のセルロースが多く含まれています。
このセルロースは腸内で水分を吸収して膨らみ、排便に役立つので大腸がんの予防にもつながります。
効果を高めるには水溶性食物繊維のわかめ、こんにゃく、大根、ごぼう、きのこ類などと組み合わせるのがおすすめです。
さらにコレステロールの吸収を防いでくれるので動脈硬化の予防にも役立ちます。
低カロリー、低糖質
たけのこはカロリーも糖質も低い食材です。
以下に茹でたものの100gあたりの量を掲載しています。
カロリー | 30kcal(生は26kcal) |
糖質 | 1.6g(生は1.4g) |
100gというと、小ぶりなもの1個分くらいはあるので、たっぷり食べられてカロリー、糖質共に低いというのはダイエット中の方にも嬉しい食材と言えるのではないでしょうか。
糖質を気にされている方にもおすすめの食材と言えますね。
また、こちらの記事では目で見て分かりやすいようにグラムと種類別にご紹介しています。
糖質制限中の方や血糖値を管理されている方の参考になれば幸いです。
春を感じる美味しい食材、たけのこ。皮付きのものは自分であく抜きをして下ごしらえする楽しみや手間もありますが今は水煮の手軽に使えるパックなども多く販売されています。是非食生活の中に摂り入れてみてくださいね。
たけのこのレシピ
LIFE.net【ライフドットネット】ではたけのこを使ったレシピも多数ご紹介しています。
是非併せてご覧ください。