『アジを3枚におろす方法』と『下処理の仕方』をご紹介します。
1匹のまま買ったときに覚えておくと便利な下ごしらえの仕方です。
順番通りにやれば、初心者でもきちんと3枚におろすことができますよ。
1匹のままで使う場合でも必要になる、うろこの取り方やぜいごという固い部分の落とし方、お刺身の時に使える皮の簡単なむきかたまで画像とイラストを使い、詳しく解説しています。
特に生々しい部分は写真が苦手な方も多いと思うので、イラストを多用しています。
アジの3枚おろしのやり方
1匹のままのアジの場合、美味しく食べるために下処理が必要になります。
また使う料理に合わせて3枚におろしたり、皮をはぐ、骨を取り除くといった工程が必要です。
まず初めに3枚におろす方法からご説明します。
簡単に工程を説明するとこのようになります。
1、うろこと、ぜいごを取る。
2、頭と切り落とし、内臓を取る。
3、3枚におろす。
4、皮を引いて、中骨を取り除く。
また、1匹のまま使う場合も、1のうろこ取りとぜいご取り、内臓を取る工程は必要になります。
皮を引くのは料理によっては不要です。
では1つずつ画像付きで詳しく説明しますね。
用意するもの
アジ
新聞紙、もしくはキッチンペーパー
よく切れる包丁
まな板
骨抜き(毛抜きのようなキッチングッズ)
おろし方
ここからは生のお魚を使った画像が多数登場するので、苦手な方は注意してください。
1、アジは背を手前にして置く。
まず初めに『ぜいご』という骨のようなうろこのような表面にある硬い部分とうろこを取り除く。
ぜいごは画像の赤いラインを入れた部分です。
先にうろこを取ります。
尻尾から頭の方に向かって、奥側は軽く表面を包丁の刃先でなでるようにしてうろこを取り除く。
※今回はスーパーで買った、ぜいごが途中まで取ってあるものを使っています。
手前側は包丁の付け根側を使うようにして除きます。
取り除いたうろこは用意しておいたキッチンペーパーでふきとり、包丁をきれいにします。
2、続いてぜいごを取り除く。
尻尾の付け根からエラまでぜいごは続いているので1本のラインになるように取り除く。
まず、尻尾を手でぐっと開き、付け根の中央にある突起を見つける。
そこから包丁を入れ、のこぎりを引くように前後に動かしながらすくようにして除きます。
右利きの方の場合は左手で頭をしっかりと持ち、手が包丁と近くなりがちなので力は絶対に入れないように注意します。
下処理済みとして販売されているものも、エラの近くまでは取っていないものがありました。
きちんと取ってあるほうが食べたときに食べやすく、口当たりもいいと感じるのでエラ近くまでしっかり取るのが個人的にはおすすめです。
ここまでできたら裏返し、反対側もうろこ取り、ぜいご取りを同様にしてください。
3、続いて頭を切り落とす。
ここからはまな板を汚したくない場合は新聞紙などの上でやるのがおすすめです。
尻尾から包丁を当ててすーっと滑らせるようにするとエラの近くで勝手に止まるところがあります。
そこが頭を切り落とす場所の目安です。
またヒレ、腹びれもつけて切り落としたいので画像のように斜めに角度をつけて包丁を当てます。
包丁の刃先をアジにしっかりと当て、奥にスライドさせるようにして力を入れてストンと頭を切り落とす。
最後は包丁の刃先をすっと手前に引くようにするときれいに切り離すことができます。
4、内臓を取り除く。
画像の位置に斜めに包丁を当て、先ほどと同様にすっとスライドさせるようにして包丁を使い切り落とす。
ここの目的は内臓を『切り落とす』ことではなく、内臓を『取り出す』ということなので切り落とす範囲は少な目で大丈夫です。
切り落とした部分から包丁の刃先を使い、内臓を破らないように注意して取り出します。
内臓は少しグロテスクなので、イラストで工程をまとめました。
内臓は背骨から肛門にかけての場所に入っています。
なのでまず背骨側を包丁の刃先を使って破らないようにして取り出します。
その後やさしく肛門の付け根まで取り出します。
最後は包丁の真ん中あたりで取り出した内臓をそっと抑え、アジを持って引きはがします。
これで内臓の取り出しは完了です。
このようにきれいに取り出せました。
この段階で包丁とまな板を一度きれいにします。
5、アジをさっと最小限の時間で洗う。
うろことついてしまった血を取り除くため洗いますがさっと洗うのがポイントです。
6、キッチンペーパーに取り、くるむようにして持つ。
内臓の中までしっかりとキッチンペーパーできれいに拭きとる。
自分の手も一度ここできれいに洗っておきます。
1匹のままで使う料理の場合はこれで下処理は終了です。
7、続いて3枚におろす。
腹 → 背中 → 背中 → 腹 の順番で包丁を入れていきます。
初めに3枚におろすためのガイドラインを包丁でいれ、最後にそのガイドラインを目安にして切り離す、というイメージで行います。
尾を手前にして、左手はアジを抑えつつまな板にセットします。
包丁は腹びれのところにセットし、まな板に対して垂直になるように置きます。
そのまま尻尾の方にむかってそっと皮だけを切るようにして包丁を引く。
まずは身を切り離すのではなく、そのためのガイドラインを入れる作業をします。
8、続いて今入れたガイドラインを使って身を切り離す。
ガイドラインに包丁の真ん中あたりを当て、刃先は背骨に当てる。
刃先を背骨のラインから離さないように注意して、余計な力を入れないようにしてすーっと手前に引く。
終点は尻尾です。
このような感じになります。
9、続いて同じように背中側も切ります。
今度は頭側を手前にして、左手はアジを抑えつつまな板にセットします。
包丁は背びれのところにセットし、まな板に対して垂直になるように置きます。
そのまま頭の方にむかってそっと包丁を引き、皮だけを切るようなイメージでガイドラインを入れる。
10、包丁の刃先をしっぽ側に差し込み、背骨に当たるのを確認する。
力を抜き、先ほど入れたガイドラインに沿ってすーっと包丁を引いて身を切る。
11、尻尾の付け根に包丁を再び入れ、一度尻尾側に向かってくっついている部分を少し切る。
続いて尻尾を手で持って頭側にすーっと包丁を引いて身を切り離す。
途中で包丁が止まる位置(あばら骨のところ)があるので、包丁の刃先を少し下に向けて角度を変えて頭側に引き切る。
身と尻尾の付けねの部分がくっついたままなので、尻尾の付け根側に刃先が向くようにして入れ、身と尻尾を切り離す。
これで3枚おろしのうちの1枚が完成します。
12、もう片面も切り離す。
※基本的には先ほどと同じことを繰り返します。
まずガイドラインを包丁ですーっと切って入れ、頭側に包丁の刃先を入れて背骨が見えているのでそこまで包丁を入れる。
背骨から刃先を離さないように注意して、身を切る。
13、向きを変えて、腹びれに沿ってガイドラインを入れたら、尻尾側に刃先を入れて背骨に当たっていることを確認しながら頭にむかってすーっと包丁を入れる。
14、包丁をしっぽの付け根に差し込み一度尻尾側に向かってくっついている部分を少し切り離す。
その後、向きを変えて刃全体を使ってすーっと頭側に引く。
途中で包丁が止まる位置(あばら骨のところ)があるので、包丁の刃先を少し下に向けて角度を変えて頭側に引き切る。
最後に尻尾と身がくっついている部分を切り離し、完成です。
これで料理に使える身の部分2枚+骨がついている部分1枚の計3枚に分かれたと思います。
骨の部分もだしを取ったりして使うこともできますよ。
頭をつけた状態で料理に使いたい場合
もう1つ、頭をつけた状態で料理に使いたいときにおすすめの、エラと内臓を一緒に取り除く簡単な方法もご紹介します。
テレビ番組の得する人損する人で、魚料理で有名な北山智栄シェフが紹介された方法です。
まずうろことゼイゴを取り除くところまでは上の方法で行ってください。
その後頭を切り落とさず、こちらの工程に入ります。
もう1つ、内臓の取り方で簡単な方法があるのでご紹介しますね。
得する人損する人で話題になった方法で、エラと内臓を一気に取り除く方法です。
1、新聞紙を流しにしく。
2、その上で、エラの中から指を突っ込んで、おなかの方向にひき内臓をかきとる。
(むしりとる、という感じです。えらと内臓は全部くっついているので、簡単に取ることができます)
3、流水で血合いを洗い流したら完成です。
ごみは新聞紙ごと捨てることができるので汚れにくくいいですね。
頭をつけたままだと器に盛り付けたときに豪華にみえるメリットがあります。
こちらのレシピはこの方法で下処理をしたアジを使っています。
腹骨を欠く・小骨を取り除く
続いて食べるときに骨があると嫌なので、腹骨、小骨を取り除きます。
1、頭側を奥にして置き、腹骨の突起の部分に包丁の刃を当てます。
そのまま骨を取り除くようにしてすっと端側に引きます。
身も少し一緒についてきますが、それで大丈夫です。
2、中骨を取り除く。
中骨は骨抜き器で1本ずつ引き抜きます。
ちなみに100円均一で買える毛抜きでも同じように使えますよ。
ここまでできると、ソテーにしたり揚げ物にしたり色々な料理に使えます。
皮の引き方
1、お刺身にする場合、皮を引きます。
頭側の端を包丁を使って少しめくります。
その後まな板の端に置いて、皮と身の境目を包丁の根元辺りでぐっと押さえて皮を身と反対方向に引きます。
3枚おろしのやり方はこちらの築地の方の動画を参考にしました。
動画で見たいという方は参考になるのでおすすめですよ。
大変な場合はお魚屋さんにお願いするのも1つの手
今回3枚おろしのやり方をご紹介しましたが、時間がない時や自分でやるのは面倒な場合はお魚屋さんにお願いするのが一番手っ取り早いです。
スーパーに入っているお魚屋さんでも、お願いすればさばいてくれることがほとんどです。
そうすればゴミも出ませんし、手間いらずに家に帰ったらすぐに調理に使うことができますよね。
ではどうして今回この方法をご紹介したのかというと、1匹の姿のまま使う料理用に買ってきたけれど予定が変わった、釣りのお土産でもらった、ということもなきにしもあらずだからです。
また、まれに『下処理済み、すぐに使えます』と書いてある商品でもぜいごがしっかり取れていなかったりうろこが残っているケースも少なくありません。
スーパーの閉店間際に行くとお魚屋さんがもういないこともありますしね。
そういうわけで初心者の私でもできた方法としてご紹介しました。
慣れないうちはプロがさばいたようなきれいに仕上がりにはなりませんが、ある程度は自分でできるようになるのでそれもまた料理の楽しみの1つとして面白いですよ。
以上『アジの3枚おろしのやり方と下処理の仕方』のご紹介でした。
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