NHKガッテン!で放送された「認知症の介護に役立つアイコンタクトを取り入れたケア、ユマニチュードのやり方」を詳しくご紹介します!
認知症の方に出ることがある攻撃的になる症状や意思疎通が難しい状態などが改善されることがあるという、今世界でも注目されている介護の方法です。
やり方のポイントやその効果をお伝えします。
目次
認知症の方の症状がよくなる「アイコンタクト」とは?
認知症の症状が改善するとしたら、ご家族にはとても嬉しい朗報ですよね。
今回ガッテンで紹介された方法は「アイコンタクト」を使った方法です。
人間には白目と黒目がありますよね。
これは他の動物と比べても人間が持つ、特徴的な一面です。
人間は大昔集団で狩りをしていたため、アイコンタクトをとる必要性からこのように進化したのではないかと言われているそうです。
なんと人間は赤ちゃんの頃から視線や表情を読み取る力を持っていることもわかっています。
このアイコンタクトが認知症の介護の面でも効果があることが分かってきました。
この方法はフランスから生まれた、介護メソッドとして今注目されています。
フランス発の介護メソッドとは?
認知症になると、実は視野が健康な時と比べて大きく変わることが分かっています。
脳のダメージによってとても視野が狭くなり、中心当たりしか見えなくなってくることがあるんです。
他にもアルツハイマー病の場合、記憶力、判断力の他、位置や形を把握する空間認知の働きが衰える場合があります。
空間認知が衰えると着替えや食事などに弊害が生まれることがあります。
そこに注目したのがアイコンタクトを取り入れた介護メソッドです。
以前はコミュニケーションが取れず、反応も返ってこなかったという方が「相手の真正面に入り、目をしっかり見て声掛けをする」ようになったことで反応が返ってくるようになり、返事も返ってくるようになったという例も紹介されました。
意思の疎通が取れるというのは介護をするうえで大きな希望になりますよね。
家族だからこそ気恥ずかしく、目を見て声掛けをしていなかったという声もありました。
まさか認知症になると視界に変化があるということも知らなかったという方も多いと思います。
これを知っているかどうかだけでもかなり違いますね。
他にも認知症の人は触角が鈍ることや一部の人には聴覚の変化が起こることもわかってきているそうです。
同情ではなく、「共感をもつ」、認知症の人の世界に寄り添ったコミュニケーションの取り方がとても大切ということでした。
ユマニチュードのやり方
では具体的にどのような方法がこのメソッドにあるのか、ご紹介します。
・目を見て話す。
・丁寧におじぎをしない。
・ほどよい距離感を保たない。
・てきぱきしない。できる限り急がない。
・余計なことをしゃべる。
・患者さんの(言ったことなどの)間違いをなおさない。
という方法です。
アイコンタクトの仕方
認知機能が衰え、視界も狭くなっている方に丁寧におじぎをしてもその気持ちが相手には伝わりにくいため自分が思っている気持ちを伝わりやすく伝えることがとても大切です。
詳しいやり方をご紹介しますね。
1、距離を取って、相手の正面に立つ。
2、顔の高さを合わせる。
3、相手の黒目を見つめながら、にっこり笑って笑顔でゆっくりと歩み寄る。
4、しっかりと目が合ったところで、じーっと相手の瞳を見つめる。
体を洗ってあげる場合
さらに体を拭いたり、洗ってあげる場合の方法も紹介されました。
この時もアイコンタクトはとても大切で、ただ体をふくだけだとケアを受ける方には「仕事をしている」ように感じられてしまいます。
実際に出演された看護師さん曰く「車を洗っているような感じ」とおっしゃっていました。
そうではなく、「あなたは大切な人ですよ」という気持ちが伝わるように接することが大切です。
やりがちなのが手をつかんで持ち上げる、という動作です。
ですがこの動作は威圧感や強制的に動かされているように感じてしまうかもしれません。
なので、そうではない方法で行います。
1、指先から包み込むように触れる。
そうするとケアされる方の筋肉が緊張しません。
2、相手の手は下から支えるようにしてゆったりと持つ。
3、洗うときは洗う人の手の平を開いて、ゆっくりと動かし洗ってあげる。
相手の方がマッサージを受けているように感じるような動きで洗うのがポイントです。
相手の間違いを直さない、とは?
また、上の項目にある「相手の間違いを直さない」とはどういうことかというと、認知症の方が「私は20歳」とおっしゃっていたとしたら本当にご自身は20歳の時の世界に戻っているからです。
そこで「違うでしょ、お母さんは80歳でしょ」などと言ってしまうと混乱してしまいますよね。
「20歳」と言っているその世界にケアをする側が飛び込む気持ちで接するのが大切ということでした。
他にも例えば下着の代わりにシャツを履こうとしていたら「だめ」というのではなく「手を通してみたらどう?」というように声掛けするとよいというアドバイスもありました。
だめ、よりも「提案」がいいそうです。
なるほど、ですね。
ユマニチュードはすべての人に使える方法
これは認知の機能の程度にかかわらず、すべての人に使える方法です。
「ユマニチュード」と呼ばれる方法で、一緒にいて楽しいという気持ちを互いに持つためのコミュニケーション技術として紹介されました。
「ユマニチュード」はフランス語で「人間らしさを取り戻す」という意味を持っています。
このユマニチュードを広めているイヴ・ジネストさんいわく、認知症の人にとって外の世界は不安に満ちたもの。
理解不能な状況に直面すると不安が高まり、問題行動を起こすようになります。
そのため介護をする側の私たちは意識的に愛情や安心を伝える技術を学ばないといけない、ということでした。
確かに誰でもわけのわからない状況になったら非常に不安になりますし、パニックになることもありますよね。
自分に置き換えて考えてみると確かに、わかるような気もします。
まとめ
認知症の方の介護を現在されている方で、症状が進み苦しい思いをしている方もたくさんいらっしゃると思います。
私もそうなのですが、家族が認知症になるというのは精神的にもとてもつらいことですし、介護をされていると肉体的な疲労もとてもありますよね。
この方法で症状の改善が見込めるのであれば、少しでもご家族みんなの希望につながる可能性があるのではないかなと思いました。
この方法は知らなかった、という方はやって損はないですし、是非試してみてくださいね。
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